いびきがあると睡眠時無呼吸?見逃したくないサインと受診の目安
更新日:3 日前
「いびきをかいていると言われた」
「寝ている途中で呼吸が止まっているらしい」
「でも、昼間はそれほど眠くないから大丈夫?」
いびきがあるからといって、すべての人が睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。
一方で、
睡眠中の呼吸停止あえぐような呼吸強い日中の眠気十分眠っても休養感が得られない状態
などがみられる場合には、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)が隠れていないか確認することが大切です。
特に注意したいのは、本人が自覚している症状だけでは判断できない場合があることです。
この記事では、いびきと睡眠時無呼吸の違い、医療機関へ相談した方がよいサイン、検査の考え方について、現在の公的資料・ガイドラインをもとに整理します。
この記事のポイント
いびきと睡眠時無呼吸症候群は同じものではありません。
大きないびきに加えて、睡眠中の呼吸停止やあえぐような呼吸がある場合には注意が必要です。
日中の眠気が強くなくても、睡眠時無呼吸を否定できるわけではありません。
問診や質問票だけで確定診断するのではなく、必要に応じて睡眠中の呼吸を調べる検査が行われます。
睡眠時無呼吸が疑われる場合は、一般的な睡眠グッズだけで様子を見続けず、医療機関で確認することが重要です。
いびきと睡眠時無呼吸症候群は、同じものではありません
いびきは、睡眠中に上気道、つまり空気の通り道が狭くなり、空気が通過するときに周囲の組織が振動することで生じる音です。
そのため、
いびきをかいている=睡眠時無呼吸症候群
ではありません。
鼻づまりや飲酒、睡眠姿勢などによって、一時的にいびきをかくこともあります。
一方、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)では、睡眠中に上気道が狭くなったり閉塞したりすることで、呼吸が止まる、あるいは大きく低下する状態が繰り返されます。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、閉塞性睡眠時無呼吸について、睡眠中に気道が狭くなることで呼吸がしづらくなったり、一時的に停止したりすることが説明されています。
重要なのは、
「いびきがあるか」だけではなく、「睡眠中の呼吸に異常が起きていないか」まで見ること
です。
家族だから気づけるサインがあります
睡眠中の出来事は、本人には分かりません。
そのため、睡眠時無呼吸のサインに、本人より先に家族やパートナーが気づくことがあります。
・大きないびきが続いている・いびきの途中で突然静かになる・しばらくして「あえぐ」「息を吸い直す」ような呼吸になる・寝ている間に呼吸が止まっているように見える
といった状態です。
本人には、
・十分寝ているのに日中の眠気が続く・眠っても休んだ感じがしない・朝起きたときに頭痛がある・日中、集中しづらい・仕事中や運転中などに強い眠気が出る
といった変化が現れることもあります。
これらの症状だけで睡眠時無呼吸と診断することはできません。
ただし、
「一度きちんと確認した方がよい」という判断材料にはなります。
「眠くないから大丈夫」とは限りません
睡眠時無呼吸というと、
「昼間にいつも眠ってしまう人」
というイメージがあるかもしれません。
しかし、すべての人に強い眠気が現れるわけではありません。
NICE(英国国立医療技術評価機構)の2021年ガイドラインでも、眠気を評価するEpworth Sleepiness Scaleだけを使って、睡眠時無呼吸の疑いがある人を専門医へ紹介するかどうか判断しないよう示されています。
つまり、
「自分は昼間それほど眠くないから、睡眠時無呼吸ではない」
とは言い切れません。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、本人が眠気に慣れてしまい、自覚しにくい場合があることが示されています。
だからこそ、
自分がどう感じているかだけではなく、
家族から何を指摘されているか睡眠中にどんな呼吸をしているか
も大切な情報になります。
「睡眠時間を取れているから大丈夫」とも限りません
もう一つ注意したいのが、
「7時間寝ているから問題ない」
「睡眠時間は十分だから大丈夫」
という考え方です。
睡眠時間を確保することはもちろん大切です。
しかし、睡眠中に呼吸が繰り返し妨げられている場合、単純に「何時間寝たか」だけでは睡眠の状態を判断できません。
朝起きても休んだ感じがしない。
夜中に何度も目が覚める。
日中に集中しづらい。
こうした変化が続く場合には、
睡眠時間だけではなく、睡眠中に何が起きているのか
という視点も持つことが大切です。
睡眠時無呼吸は、どうやって診断するのでしょうか?
睡眠時無呼吸が疑われる場合、まず症状や生活状況などについて聞き取りが行われます。
質問票を使用することもあります。
ただし、
問診や質問票だけで、睡眠時無呼吸を確定診断するわけではありません。
必要に応じて、睡眠中の呼吸状態などを調べる検査が行われます。
NICEの2021年ガイドラインでは、閉塞性睡眠時無呼吸が疑われる成人に対して、在宅で行う呼吸ポリグラフィーなどを検討することが示されています。
検査結果と症状が一致しない場合や、疑いが強い場合には、さらに詳しい検査が検討されることもあります。
代表的な検査の一つが、
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)
です。
実際にどの検査から始めるかは、症状や医療機関によって異なります。
医療機関で伝えておきたいこと
受診するときには、
「いびきが気になります」
だけではなく、できるだけ具体的に睡眠中や日中の状態を伝えることが役立ちます。
たとえば、
いびきは毎晩か、ときどきか・家族から呼吸停止を指摘されたことがあるか
あえぐような呼吸があるか
日中に眠気があるか
朝起きたときの休養感はどうか
夜中に何度も目が覚めるか
運転中などに眠気を感じることがあるか
といった情報です。
可能であれば、
一緒に暮らしている家族やパートナーから聞いた睡眠中の様子
も伝えるとよいでしょう。
スマートウォッチや睡眠アプリは診断に使える?
近年は、スマートウォッチやスマートフォンのアプリで、
睡眠時間。
心拍数。
血中酸素レベル。
いびき。
などを記録できるものが増えています。
自分の睡眠に関心を持つきっかけとして、こうした機器を活用すること自体は一つの方法です。
ただし、
一般向けのウェアラブル端末やアプリだけで睡眠時無呼吸を確定診断することはできません。
記録の中に気になる変化があった場合には、
「アプリで診断する」
のではなく、
医療機関へ相談するときの参考情報として活用する
と考える方が適切です。
いびきが気になったら、まず何をすればいい?
いびきが気になると、
「いびきを止める方法」
「いびき対策グッズ」
を探したくなるかもしれません。
しかし、最初に確認したいのは、
いびきという“音”を止めることではなく、睡眠中の呼吸に問題が起きていないか
です。
まず、
家族から呼吸停止を指摘されていないか
あえぐような呼吸がないか
日中の生活に影響が出ていないか
十分眠っても休養感が乏しくないか
を確認してみてください。
睡眠時無呼吸が疑われる場合は、
睡眠外来。
呼吸器内科。
耳鼻咽喉科。
など、睡眠呼吸障害を評価できる医療機関への相談が考えられます。
睡眠時無呼吸には、どのような治療がありますか?
閉塞性睡眠時無呼吸と診断された場合、重症度や身体の状態などによって治療方法が検討されます。
代表的な治療には、
CPAP(持続陽圧呼吸療法)
医療用の口腔内装置
生活習慣への対応
症例によっては外科的治療
などがあります。
どれが適しているかは、その人の状態によって異なります。
そのため、
「この方法なら誰でも治る」というものではありません。
まず診断を受け、その結果をもとに適切な治療方法を選ぶことが基本になります。
医療用の口腔内装置と、市販のマウスピースは同じではありません
睡眠時無呼吸の治療では、患者さんの状態によって医療用の口腔内装置が使用されることがあります。
代表的なものに、下顎を前方へ保持することを目的とした口腔内装置があります。
ただし、これは、
睡眠時無呼吸と診断された人に対し、医療・歯科の管理のもとで適応を判断して使用する治療用装置
です。
一般に販売されているマウスピースやセルフケア用品とは役割が異なります。
市販品を、
「睡眠時無呼吸用の治療器具の代わり」
として使用することはできません。
睡眠中の呼吸停止が疑われる場合には、
マウスピースを選ぶことより、まず診断を受けること。
この順番を変えないことが大切です。
369 Perspective|眠りを「口だけ」で説明しない
369では、口、顎、舌など、
眠っている間の「口元」
に目を向けています。
しかし同時に、
口だけですべてを説明しないこと
も大切にしています。
眠っている間の呼吸には、
鼻や喉。
上気道。
顎や舌。
睡眠姿勢。
体格。
生活習慣。
全身の状態。
など、さまざまな要素が関係します。
だから、
「口を整えれば、すべての睡眠問題が解決する」
とは考えません。
医療が必要な状態は、医療へ。
そのうえで、日常生活の中で自分の口や眠りに意識を向ける。
この二つを混同しないことが、健康習慣では重要だと369は考えています。
369マウスピースは一般雑貨であり、睡眠時無呼吸の診断・治療・予防を目的とする医療機器ではありません。
369公式LINEでは製品の使い方や装着についての相談を受け付けていますが、睡眠中の呼吸停止など医療的な評価が必要と考えられる場合には、製品の使用判断より医療機関での確認を優先してご案内しています。
この記事の要点
いびきがあるからといって、必ず睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。
大きないびきに加えて、呼吸停止やあえぐような呼吸がみられる場合には、閉塞性睡眠時無呼吸の可能性を確認することが重要です。
日中の眠気が強くなくても、睡眠時無呼吸を否定することはできません。
診断には、症状の聞き取りだけではなく、必要に応じて睡眠中の呼吸状態を調べる検査が行われます。
一般的なスマートウォッチや睡眠アプリは、自分の睡眠を知る参考にはなりますが、睡眠時無呼吸の確定診断には使用できません。
睡眠時無呼吸の治療用口腔内装置と、市販のマウスピース・セルフケア用品は役割が異なります。
369マウスピースは一般雑貨であり、睡眠時無呼吸の診断・治療・予防を目的とした製品ではありません。
よくある質問
Q. いびきをかく人は全員、睡眠時無呼吸症候群ですか?
いいえ。いびきだけで睡眠時無呼吸症候群と診断することはできません。ただし、睡眠中の呼吸停止、あえぐような呼吸、強い日中の眠気などがある場合には、医療機関への相談を検討してください。
Q. 日中に眠くないなら、睡眠時無呼吸ではありませんか?
眠気が強くなくても、睡眠時無呼吸を否定することはできません。本人が眠気を自覚しにくい場合もあります。家族からの呼吸停止の指摘など、睡眠中の様子も重要な情報です。
Q. 睡眠時間を十分取っていれば大丈夫ですか?
睡眠時間だけでは判断できません。睡眠中に呼吸が繰り返し妨げられている場合には、十分な時間眠っていても休養感が得られないことがあります。
Q. スマートウォッチや睡眠アプリだけで診断できますか?
一般向けのスマートウォッチや睡眠アプリだけで、睡眠時無呼吸を確定診断することはできません。記録は受診時の参考情報になる場合がありますが、疑いがある場合には医療機関での評価が必要です。
Q. マウスピースで睡眠時無呼吸を治療できますか?
閉塞性睡眠時無呼吸では、医療用の口腔内装置が治療選択肢になる場合があります。ただし、診断後に適応を判断し、医療・歯科の管理のもとで使用するものです。一般のマウスピースとは区別する必要があります。
Q. 369マウスピースは睡眠時無呼吸の治療に使えますか?
いいえ。369マウスピースは一般雑貨であり、睡眠時無呼吸の診断・治療・予防を目的とした医療機器ではありません。睡眠中の呼吸停止などが疑われる場合には、製品の使用判断よりも医療機関への相談を優先してください。
参考文献・公的資料
執筆|369 JOURNAL編集部
歯科・口腔監修|大橋 真龍
歯科医師・グリーン歯科医院 院長369マウスピース開発者
※本記事は一般的な睡眠・健康情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状がある場合は、医師・歯科医師などの専門家へご相談ください。



