マウスピースは型を取るべき?取らないべき?
2024年9月1日
現役の歯科医師、旅するデンタルカウンセラーの大橋 真龍です。
最近マウスピースについて質問が多く来ます。
マウスピース矯正の宣伝広告が増え、実際に矯正された方が増えたためだと思われます。
マウスピースは大きく「型を取るもの」と「型を取らないもの」の2つに分けられます。
多くの方が勘違いをされているのが、型を取るものが正しい・効果がある、と思っていることです。
歯並びには個人差があるので、マウスピースはその人その人に合わせて作った方が良い、と考えがちですが、そうではないのです。
なぜならば、歯型を取るマウスピースはその時の状態を維持してしまうからです。
つまり、型を取る、とは歯並びが全く動けない状態にする、と言えます。
私たちの歯並びはその日その日の体調によって少しずつ変わっています。
つまり、歯は動けるようにしてあげた方が自然なのです。
型を取るマウスピースは、顎関節症や顎が痛い、といった一時的に症状を軽減するために使うという目的のときに、その効果を発揮します。
また、スポーツをしているときに使うマウスピースも同じことが言えます。
型を取ったマウスピースを使用することでスポーツをするときに歯を守るだけでなく、力が出るように調整もできます。
しかし、体調によってその日の歯並びが変わるので、これも一時的なもので、同じものをずっと使い続けることはおすすめできません。
<参考>
なぜマウスガードを着用するサッカー選手が増えているのか? 遠藤航・豊田の飛躍に専門家の見解
一方、型を取らない マウスピースは長期間にわたって使うことができます。
それは日々変わる歯並びに対応することが可能となるからです。
また、長期的に使うということは、予防としても使うことができるということです。
歯並びのケアや、歯ぎしり・食いしばりからくる偏頭痛・肩凝りなどの予防になります。
私たちは長生きするようになり、少しでも長く健康な状態を維持することが大切な時代になりました。
昔のように、悪くなってから治療をする、というだけでは、体全体のバランスが崩れ、身体中に現れる老化現象を止めることは難しいでしょう。
長く健康でいる、とは、若い状態を維持する、ということであり、これがこれからの健康法とも言えます。
すでに歳を取ってしまったという方でも、安心してください。
若い状態に戻れる可能性はあります。
それは若いときの体の状態、形態にすることです。
特に「歯」です。
昔ながらの治療では、削れている歯に合わせて、治療するしかありませんでした。
しかし、削れた部分を足すことによって埋める治療をする医院では、老化現象を止められる可能性があることがわかってきました。
面白いですね。
*本記事は一般社団法人濃縮睡眠協会 発行「濃縮睡眠通信 2024年9月号」掲載されました
369マウスピース開発者・グリーン歯科医院 院長
大橋 真龍